コラム 第2回 「男性向け?女性向け?」

ウナボルサのスタッフによる、「革とのつき合い方」コラム全10回が新聞に掲載されたのでご紹介します。静岡新聞のほか、地方新聞(京都ほか10紙)にも掲載されました。

その人に溶け込めばいい。男性向け?女性向け?

店頭で、よくこんな質問をされます。「これはメンズ?それともレディース?」。確かにバッグには、見た目で区別がつきにくい物がある。今回は、それを逆手にとっておしゃれの幅を広げるためのちょっとした工夫を提案したいと思います。

洋服は、体格などがデザインに大きく関係してくるので原則として男性向け、女性向けがはっきりしていることが多い。その点、バッグは自由度が高く、男性でも女性でも使える場合が多い。ここに気付いている人って、以外に少ないんです。

 皆さんはバッグを買うとき、どの売り場へ行きますか。もちろん、男性ならメンズ売り場、女性ならレディース売り場しか見ない人がほとんどでしょう。いつもとちょっと違うおしゃれをしてみたい人。たまには自分の性別と反対の売り場に足を運んでみてはいかがですか。思いがけないデザインと出会えるかもしれません。購入するバッグがつい、いつも同じような物になってしまう人にもお勧めです。

 性別を選ばない製品に出会えたら、ご夫婦2人で共有することもできますね。「今日、これ借りるね」「私も、それ貸して」。そんなやりとりをきっかけに、おしゃれについて会話が弾むかもしれません。2人の思い出を一緒に刻むバッグがある、というのも素敵だと思いませんか。

 私たちは性別よりも「こんなバッグがあったらいいな」という思いを最優先にして形にしてきました。本当に気に入った物なら男性が持とうが、女性が持とうが関係ない。その人のファッションに溶け込んでいればいい。そう思うのです。

静岡新聞・夕刊 2016年11月18日掲載