コラム 第4回 「冠婚葬祭にも普段にも」

ウナボルサのスタッフによる、「革とのつき合い方」コラム全10回が新聞に掲載されたのでご紹介します。静岡新聞のほか、地方新聞(京都ほか10紙)にも掲載されました。

冠婚葬祭にも普段にも

大人の女性なら誰でも、冠婚葬祭に使う黒いハンドバッグを一つは持っているでしょう。でも、そういう特別な日はそんなに頻繁にはありません。久しぶりにクローゼットから出してみたら、カビが生えていたり、ファスナーが開かなかったり。使えずに、慌てて買いに行った経験はありませんか。

そんなことにならないように、母娘、姉妹でバッグを共有するのも一つの方法です。一生ものといわれる真珠のネックレスを貸し借りをするように、世代やスタイルを問わないシンプルなバッグを選んで共有する。そうすれば使う機会が増え、お手入れの回数も増えることによって、長く使えるようになるでしょう。

いっそ「冠婚葬祭にだけ使うバッグ」という固定観念を捨てて、慶弔以外にも普段でも使えるようなデザインを購入してみてはいかがでしょうか。選ぶポイントがいくつかあります。

冠婚葬祭で使用することを考え、色はもちろん黒。柄や光沢のある素材は避けましょう。慶弔では、バッグの中が見えない方が好ましいので、かぶせ(ふた)付きの物か、ファスナーやマグネットで開閉できるタイプがおすすめです。

たくさん物が入れば便利ですが、大きなサイズは冠婚葬祭に不向きです。小さいバッグは慶弔向きかもしれませんが、物が入らず普段使うのに実用的ではありません。多少サイズが大きめでも、デザインがシンプルで黒いフォーマルな衣装に合わせても違和感がないバッグもあります。反対に、多少小さなバッグでもマチ幅(厚み)に余裕がある物を選べば、荷物が多めに入るので普段も便利に使えます。

静岡新聞・夕刊 2016年12月16日掲載