コラム 第8回  「水にぬれたら」

ウナボルサのスタッフによる、「革とのつき合い方」コラム全10回が新聞に掲載されたのでご紹介します。静岡新聞のほか、地方新聞(京都ほか10紙)にも掲載されました。

水にぬれたらすぐケア。革製品のお手入れ

革製品は水と湿気が大敵です。水にぬれた緊急時は素早く、適切にケアしましょう。

例えば、雨が部分的に染み込んでしまった状態で乾くと、そこが染みとなって残ってしまう場合があります。こんな時は思い切って水にぬらし絞った布で、革の表面をまんべんなくぬらしてしまいます。全体的に同じぐらいの色になれば大丈夫です。革が傷むので、布でこすらず、やさしくたたくようにします。

次に、日陰で自然乾燥させます。決して、直射日光で乾かしてはいけません。ドライヤーなどで熱を加えて乾かすと、革が硬くなってひび割れしたり、劣化しやすくなります。乾いたら、革専用のワックスで必ずお手入れをしましょう。

長く保管する場合は、カビが生えないよう湿気に気をつけて、風通しの良い場所にしまいます。バッグの中に、新聞紙を丸めて入れると型崩れの防止になります。そのまま入れるとインクが移ることもあるので、丸めた新聞紙を白い紙や布などで覆って入れてください。その際、革製品をビニールの袋に入れるのは湿気がこもるのでお勧めできません。通気性の良い素材でできた袋に入れましょう。購入した際に包まれていた不織布の袋を捨てずに取っておくと便利です。

本革のバッグは革靴と同じように、たまに休ませながら使うと長持ちします。長く使ったなと思ったら、バッグの中の荷物を出して、表面を布でさっと乾拭きしてお部屋のどこかで数日、休ませてあげてください。できれば、三つほどお気に入りを選んでローテーションを組むと、おしゃれも楽しくなるのではないでしょうか。

静岡新聞・夕刊 2017年2月17日掲載