手縫いワークショップ「パスケース」編
刻印は好きな言葉を
お店で定期的に開催している「手縫いワークショップ」。
今回はパスケースの様子をご紹介します。
仲良し家族3名でご参加です。ホームページをご覧になったとのこと。革の色はどれにしようか、刻印を入れたいからどんな言葉にしようかと、いろいろと考えてきてくださいました。刻印はイニシャルではなく、好きな言葉?フレーズ?をイタリア語で入れたいということで、スペルを紙に書いて持ってきてくれました。いろいろと準備していただき、とっても嬉しかったです!
●最初に革の色とステッチの色を決めます
パスケースは、表2枚・裏2枚・金具を止める部分の革、合計5つの革で構成されています。金具は、首から下げたりバッグにつけたりする時にあると便利です(金具はご希望の方のみ)。
カットされた革の中から色を選んでいきます。同色でまとめたり、表裏を異なる色にしたバイカラーにしたり、金具の革だけ変えてアクセントにしたり、表裏4枚の革を全部を変えたりと、いろいろなパターンができます。
革の色が決まったら、糸(ステッチ)の色を決めます。
●縫う前の下準備、穴あけ
縫う前に刻印を入れます。パスケースの場合は、構造上、刻印を先に入れます。
スタンプのような道具を使って木槌で打ちます。別の革で刻印の練習をしてから本番です。木槌を使って刻印をするのですが、どのくらいの力を加えたら刻印がキレイに出るかを確かめます。力が弱いと刻印がハッキリでないし、強すぎても凹みすぎてキレイじゃないし、「いい感じ」の力で。
文字数が多い場合は、どのくらいの文字間で打てばいいのかも確認します。今回は好きな言葉を入れるので、一番多い方はなんと20字を入れました!
刻印が入ると、次は縫う前の下準備。革を張り合わせるため、のりがつきやすいように革の端を彫刻刀で少し削ります。削った部分は白くなるので、そこにのりをつけて革を貼り合わせます。
次に糸を通すための穴あけ(菱目打ち)を行っていきます。穴あけはとても重要です。穴が曲がると、空いた穴に糸を通すのでステッチも曲がってしまいます。
まず穴あけする場所に2本ネンを使用し線を引きます。フォークのような形の道具、「菱目打ち」を使って穴を開けていくのですが、ちゃんと裏側まで開いているか確認しながら行います。初めて菱目打ちを使う場合は力加減がわからないので、練習用の革で何度か試してみてから実際に穴を開けていきます。
菱目打ちをしっかり固定し、垂直に。コツはこれだけです。
●手縫いの醍醐味、いざ縫製
手縫い針2本使って縫っていきます。レーシングポニーという器具にまたがって、革をしっかり固定すると縫いやすいです。開けた穴に糸を通して、ひと針ひと針、縫っていきます。糸を締める時はなるべく同じ力加減で行うとキレイな仕上がりになります。金具のところの革も一緒に縫います。
●最後の仕上げ、コバ磨きと刻印
コバ面(革の切断面)をキレイにするために、コバ処理剤で磨き、紙やすりで削ったり、また磨いたりします。
だんだんとツルツルになっていく過程を手で感じながら、ていねいに磨いていきます。
十分ツルツルになったら、パスケースの完成です!おつかれさまでした。
【刻印について】
お店ではイニシャルや名前などの刻印もできます。
手打ち刻印は、ご自身で体験できます(無料)。
レーザー刻印の場合は、550円(税込)からとなります。レーザー刻印の場合は機械で刻印を入れるため時間がかかります。