コラム 第1回 「好きな色を持とう」

ウナボルサのスタッフによる、「革とのつき合い方」コラム全10回が新聞に掲載されたのでご紹介します。静岡新聞のほか、地方新聞(京都ほか10紙)にも掲載されました。

印象引き立つポイントに。好きな色を持とう

「赤は派手だし、年だから似合わない」「こんな明るい色、人に笑われちゃうかも」

百貨店などに出展した時、よく耳にするセリフのひとつです。でも街で赤いバッグを持っている人を見て「年なのに」なんて思ったこと、あります?逆に、似合っていたら「素敵だな」と思うでしょう?そう、本人の思い込みで尻込みしているケースがほとんどなのです。

そういうことを言うお客さまは、実は赤やピンク、黄、オレンジといった明るい色が好きだったりしてする人が多い。本当に嫌いだったら、そんな言葉が口をついて出るはずはない。ただ勇気がなくて、明るい色のバッグが持てない人が多いのもまた事実。そういう人は、本当は似合うのについ黒や茶といった「無難な色」を選ぶ。好みで選ぶならもちろんいいのだが、心の中に不要な壁を作ってしまうのは本当に残念。

革製品は、ファッション全体の印象を引き立たせるポイントになる。品物を見ただけで判断せず、鏡の前でバッグを持ち、前後、横向きといろんな角度から見てほしい。それで「心地よい」と感じられれば、ほぼ似合っていると考えてよいと思います。似合うものは持っていて気持ちがいいし、テンションも上がる。人の目を気にせず、ちょっとだけ勇気を出して自分が本当に好きな色を持つことをお勧めします。

どうしても勇気が出ない人は、最初は化粧ポーチやお財布などの小物から取り入れてみてはいかがでしょうか。小さければ派手な色も全体になじみやすい。そして、気持ちが慣れてきたら、ぜひ大きなバッグにチャレンジしてみてください。

静岡新聞・夕刊 2016年11月4日掲載