コラム 第6回 「購入時の注意点」

ウナボルサのスタッフによる、「革とのつき合い方」コラム全10回が新聞に掲載されたのでご紹介します。静岡新聞のほか、地方新聞(京都ほか10紙)にも掲載されました。

全体のゆがみ、縫い目を確認。購入時の注意点

バッグを購入する際、色や形、サイズを考慮して選ぶ人はたくさんいると思いますが、それ以外にも大切なことはあります。今日は、作り手からみたチェックポイントをおさらいしてみます。

まず、バッグ全体を見てください。形にゆがみがないですか。ゆがみがある場合、革の裁断や縫製に問題があるかもしれません。さらに、ミシン目が乱れていないか、糸のほつれていないかにも注目しましょう。耐久性に大きく影響します。

次にバッグの開口部を見ます。口が狭いなど持ち物が取り出しにくい構造だと、そのバッグを使う頻度は減ります。「普段使い」のバッグを探すときは、ここは重要なポイントになります。

持ち手やショルダーベルト(肩ひも)と本体との接続部はどうですか。バッグで一番、負荷がかかる場所です。しっかり取りつけてあるか、念入りに確認してください。

ファスナーやボタン、マグネットなどの可動・着脱部分は、バッグを手に取り実際に試してみましょう。しっかり取りつけてあるか、開閉がスムーズにできるか、これもすごく大切な点です。

ポケットはスマートフォンなど、自分がよく使う持ち物を実際に入れて深さや幅を確認します。

バッグの内側はどうなっていますか。裏地には、布やスエード(起毛革)を使う製品が多いですが、裏地に合成皮革を使った製品もあります。でもこれは要注意。合成皮革は長く使ううちに経年劣化でベタベタしたり、ひび割れたりすることがあるからです。

最後に、アフターケアが充実しているか。本革バッグは、長く使うことが前提の品物。きちんと修理を受け付けてくれるメーカーかどうか、購入するときに確認するのを忘れずに。

静岡新聞・夕刊 2017年1月20日掲載