コラム 第5回 「オーダーメイド」

ウナボルサのスタッフによる、「革とのつき合い方」コラム全10回が新聞に掲載されたのでご紹介します。静岡新聞のほか、地方新聞(京都ほか10紙)にも掲載されました。

満足のいく品を長く使う。オーダーメイド

既製品で100パーセント満足のいく品を手にできた人は、幸運といえるかもしれません。お気に入りの品でも、もう少しサイズが大きければとか、もう少し持て手が長ければとか、ポケットが付いていればとか、大抵は多少の不満があるものです。そんな「もう少し」をなんとかしたい人。思い切ってオーダーしてみてはいかがでしょうか。私たちのお店でもお客さまが思い通りにオーダーした品は満足度が違います。

あるとき、既製品のトートバッグだと持ち手が短すぎて肩にかけて使うことができない、というお客さまがいました。かなり背が高い。身長は180cm以上はあったでしょうか。ちょうどいい持ち手の長さを測り、持ち手が私のお店の標準より8cmも長いトートバッグを制作しました。

またあるとき、左利きの人から二つ折り財布のオーダーを受けたことがあります。内側に小銭入れとカードケースが付いているタイプ。既製品だとふつう開いたときに右が小銭入れ、左がカードケースとなっています。しかし、それだと左利きのその方は使いにくいそうで「左右を逆にしてほしい」という注文でした。

オーダーメイドが敬遠される理由に「高い」というイメージがあるようですが、そうともいえません。もちろんオーダーの内容にもよりますが、満足度を考えればそんなにびっくりするような値段ではないはずです。

革製品のバッグや財布は、長く使えます。道具ですから、やはり使いやすさはとても重要です。本当に満足のいく自分好みの物を作ってみてはいかが。

静岡新聞・夕刊 2017年1月6日掲載